里山のドングリ林

クヌギ

昔は山里の周辺は薪炭林としての役割を持つ夏緑樹林があり、適度に成長すると定期的に対象場所を移動して炭焼き用などに伐採され、また伐採後は残った株から萌芽林の成長が始まりました。したがって場所によって成長度合いの異なる林がパッチ状に散在し、この多彩な環境の中で多くのいきものたちが安定した豊かな生態系を形成していました。この環境を再現し保全するために、私たちは意図的な管理をしています。
グリーンピアなかがわのスキップ広場の上方にクヌギ、コナラなどを主体とするドングリ園があります。グリーンピアなかがわは南畑ダムを作る時の浚渫した土を盛り上げえ出来ていますので地味が痩せています。しかし、苗を植栽してまだ10年にも満たない若い林ですが徐々に腐葉土も出来始め、周辺の照葉樹林とは異なって冬場は地面まで日が差し込み、夏場は適度な間隔の木々の間を涼風が吹き渡っていく、まさに里山の薪炭林の姿が徐々に完成しつつあります。


ここの管理では、下草刈りは最低限の管理用道路周辺だけにして、特に樹木の根際は刈らずに昆虫たちの隠れ家が残るように心がけています。また発生した枯れ木などはドングリ園内にまとめて積み、それらが腐って土に返っていく過程でいろいろないきものが利用できるように取り計らっています。おかげでクヌギやコナラなどに加害する大型のシロスジカミキリも発生するようになり、その樹液にアカタテハやルリタテハなどのチョウが集まり、ヨツボシケシキスイ、オオキスイはおろか待望のコクワガタも見られるようになりました。

疎林の間にある明るい草むらには環境省のレッドデータリストで絶滅危惧ⅠBのクロシジミ、福岡県のレッドデータブックで準絶滅危惧のジャノメチョウなども見られます。このように植生環境が整ってくると、かつて里山で見られたいきものたちが必ず戻ってきます。